【あなたの活力源は?】
加納 一緒に劇団をやってきた仲間ですね。
みんなで酒飲んでるのが、一番楽しい。稽古がどんなに煮詰まったりしても、絶対飲む!
どんなことがあっても、みんなでわーっと飲んで、今日は終わり! みたいのが、大好きですね。
——今日お邪魔した二子玉川駅周辺は、新しくておしゃれなお店ばかりで驚きました。稽古のあと、このあたりで飲まれるのですか?
加納 このへんは物価が高いんですよ。だから、ここ(花組芝居事務所)で飲んじゃいますね。いつまででも居られるっていう。
——いいですね。以前、劇団内ユニットの四獣の4人の方にお話をうかがったときに、とても仲がよかったので、どんな劇団なんだろうと思っていました。
加納 ぼくは、いわゆる先輩後輩という上下関係みたいなもののがあんまり好きじゃないし、経験したことがないので、普段はわりかしいい加減なんですよね。
偶然、座内の年上連中に体育会系の人が多かったものですから、後輩への対応を自然とやってくれるんですよ。
ぼくはその隙間を縫ってラフに接してます。
だから、もしも途中の稽古を一回くらい見ていただくと、「なんてゆるい現場だ!」って思われちゃうかもしれない。
緊張感ないかもしれないな。ピリッとしてるときはピリッとしてるんですけどね。
それとやっぱり30年もやってきたので、子供世代の人もいるんですけど、同じ目線で創作できるっていうのは、すごく活力かなって思います。
※えんぶ4月号(3/9発売)に、今年1月に行われた花組芝居〜素ネオかぶき〜『泉鏡花の夜叉ケ池』(構成・演出:加納幸和)について、お二人の対談記事が掲載されます♪
——田辺さんはいかがですか?
田辺 僕は、あまりお酒も飲まないですし、人と集まったりすることもしない方なんで、ひとりで食べられるお店を見付けることですね。
いつも、だいたい3つくらいの現場を掛け持ちしているんですが、打ち合わせ場所が現場ごとに違うので、「今日はあの現場だから、終わったらあのカレー屋さんに行こう」って決めてたりしてます。
別に、食べ物にこだわりがあるわけではないので、おいしいとか、おしゃれとか、そう言うのはどうでも良くて、リーズナブルで、混んでなくて、ひとりで入りやすいのがお店が選ぶポイントです。
1人がいいのは、食べてすぐ帰りたいからってだけなんですけど。なので、偶然誰かと鉢合わせにならないよう、細心の注意を払ってます。 ※えんぶ4月号(3/9発売)に、今年1月に行われた花組芝居〜素ネオかぶき〜『泉鏡花の夜叉ケ池』(構成・演出:加納幸和)について、お二人の対談記事が掲載されます♪
【プロフィール】
加納幸和(左)
かのうゆきかず○1960年生まれ、兵庫県尼崎市出身。日本大学藝術学部演劇学科卒業。俳優、演出家、脚本家。1987 年「ザ・隅田川」にて、花組芝居を旗揚げ。今年30周年を迎えた劇団の座長としてほぼ全ての作品の脚本・演出を担当し、自らも女形として出演。帝劇・新橋演舞場など大劇場での出演・演出・脚本も多数こなし、ドラマや映画にも進出。また、歌舞伎の豊富な知識を生かしカルチャースクールの講師を勤めるなど、多方面で活躍。
田辺茂範(右)
たなべしげのり◯1974年生まれ、長野県上田市出身。脚本家、演出家。劇団「ロリータ男爵」主宰。多摩美術大学美術学部・グラフィックデザイン科卒業。卒業制作は、デザイン科にも関わらず、こじつけて舞台の台本を提出。平成7年12月に『犬ストーン』にて、ロリータ男爵旗揚げ。脚本家や演出家だけでなく、稀に役者としても活動。
【公演情報(加納幸和)】
◇第二回『花組博覧会』
劇団上半期(1987~2002年)の過去作品の上映&衣裳・小道具の展示
3/15〜20◎二子玉川セーヌ・フルリ
◇花組HON-YOMI芝居『悪女クレオパトラ』
幻の大怪作が20年の眠りから甦る!
3/27〜31◎二子玉川セーヌ・フルリ