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糸井幸之介 深井順子 田辺茂範

【あなたの活力源は?】
深井 今は音楽!公演、終わっちゃったから歌も歌えないし、大きな声を出せないので。散歩しながら聞いてるんです。(※取材は劇団公演『イトイーランド』が終わった直後の5月上旬に行いました)
田辺 どんなの聞くんですか?
深井 この前、新宿を歩いていたら、エレカシ(エレファントカシマシ)の宮本さんが私の目の前を通り過ぎたんです。大好きなので、声をかけて、握手してもらって。「ありがとう、コンサートも来てね」って言われてから、もうレファントカシマシばかり聞いてます(笑)。あとは読書!一つ公演が終わると自分の中に何にもなくなっちゃうじゃないですか。だから怖くなっちゃって。読むのは主に小説ですね。井上荒野さんが大好きで。『ズームーデイズ』は何回も繰り返し読んでます。
田辺 文学っぽい話なんですか?
深井 二人の男女が小さなところで一緒に暮らしていて、別れるまでを描いた作品です。その様子を緻密に描写しているすごいささやかなお話なんです。ほかには桜木紫乃さんも好きです。糸井君の活力源は?
糸井 公演が終わって、先週、息子とお台場海浜公園に遊びに行って。息子が巻き貝を「持って帰る!」って言うから、「どうしたらいいの?」と不安に思いながら持って帰ってきて。金魚を飼っているのでちょっとは慣れてたんですけど、海の水だし、何食べるのかもわからなくて。調べたら、混ぜると海水になるみたいなものがあって。それと、カットわかめを入れて、今6匹家にいます。連れてきてから1週間。まだそれ1匹も死んでないです。だからそれがうまく生きてるっていうのが、今の活力源。
深井 なんか怖い!カットわかめをどうやって食べてるの?
糸井 そういう貝って「掃除屋」と呼ばれていて、苔とかをきれいにするために飼っている人がいるくらいよく食べるんだって。カットわかめもよく食べてると思います。どうやって食べてるかはわからないんだけど。
深井 それが怖い!夜中にどうなってるんだろう!?
糸井 水槽の壁を上ってきちゃうんですよ。出てこないようにふたはしてあるんだけど。
深井 ・・・・・・こどもを育てるって大変なんだね。
糸井 でも本人は持って帰ってきたら、興味はなくなるじゃないですか。すぐに。ぼくが後の世話ばっかり。
深井 楽しいんでしょ?
糸井 すごく楽しい。それが活力源です。
深井 田辺さんは何ですか?
田辺 ぼくは、今はラジオかな。ずっと聞いてるのは、TBSラジオ月曜JUNKの「伊集院光 深夜の馬鹿力」と火曜JUNKの「爆笑問題カーボーイ」なんですけど、最近、「ビバリー昼ズ」の清水ミチコとナイツが気に入っています。本当に実のない話しかしないんですよ。伊集院光とかは、ちゃんとおもしろいネタを探して仕入れたりしてるんだけど、清水ミチコとかはおもしろいネタを仕入れる気もなくって。普通に実のない話をしゃべっていて。「あー、実のない話っていいなぁ!」と思って。
深井 いいですね!
田辺 深夜の番組はパーソナリティがメインでがっつりしたおもしろさがありますけど、昼の番組は生で聞くと交通情報とかニュースとかいっぱい挟まったりして、ちょこっとずつしか流れなくて。あ、昼って、だれも集中して聞いてないから。どーでもいいことでいいんだなと。
深井 いいですよね。そういう実のない話ってずーっとしていたい!お仕事の話もやらなきゃだめだけど、そうじゃない話になったときに、本当に心が軽やかになる!
田辺 清水ミチコとナイツは、どうでもいいところにどうでもいい物まねをみんなではさんで。全然似てないんですけど。それがおもしろくて。聞き終わったときに、何も情報が残ってない。
深井 わかる!わたしもだんだん、そうなってきました。前は物まねとか恥ずかしかったけど、今はやりたい! それが受けるかどうかは関係なく、ただやりたい。いいのそれで。見せると一人くらいは笑うんです。「笑い」じゃないかな、「つきあい?」っていうのが、喜び。「いやがってるのかな?」っていう反応もうれしいし。
田辺 やりたくてやってるんですよね。ナイツの塙さんは内海桂子師匠の物まねばかりやってますね。清水のみっちゃんは最近、ゲスの極みのまねばっかりやってるし。好き勝手にやったるだけじゃないですか。受けようとかもあんまり考えてないみたいだし。
深井 いいですね〜。つい、こういう(取材の)場でもちゃんと話さなきゃとも思うし。そういう境地にいけるっていうのがすごいですね!
 
【プロフィール】
糸井幸之介
いといゆきのすけ○深井順子が主宰するFUKAIPRODUCE羽衣の座付作家・演出家として全作品の作・演出・音楽を手掛ける。第14回公演『耳のトンネル』にて、CoRich舞台芸術まつり!2012春グランプリ受賞。「ふつうの人」の人生の輝きやおかしみを掬い取り、耳に残るジャンルレスな楽曲と言葉遊びに富んだ詩で表現される「妙ージカル」の独特の世界観は高く評価されている。

深井順子
ふかいじゅんこ○77年東京生まれ。96年から99年まで劇団唐組に在籍。04年に、糸井幸之介の生み出す唯一無二の「妙ージカル」を上演するための団体、FUKAIPRODUCE羽衣を設立。以降、全公演に出演、及びプロデュースを行う。また近年は、ラジオCMへの出演やNODA・MAP『エッグ』『MIWA』に出演するなど、活動の範囲を広げている。

田辺茂範
たなべしげのり○74年生まれ。田辺茂範が主宰するロリータ男爵の脚本家・演出家として、全作品の作・演出を手掛ける。ヘタウマミュージカルと称されるオリジナルミュージカルを発表してきたが、ヘタウマの「ウマ」に言及されたことは一度もない。脚本を担当した番組『オレアレ』が、第32回ATP賞テレビグランプリの情報・バラエティ部門で奨励賞受賞。

【次回予定】
パルTAMAフェス2016 パルテノン多摩×FUKAIPRODUCE羽衣
『愛いっぱいの愛を』
9/17・18◎きらめきの池ステージ
作・演出・音楽◇糸井幸之介
出演◇深井順子 鯉和鮎美 澤田慎司 キムユス 他
http://www.partama-fes.com/
 



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