鶴田 基本的に自分が好きだと思えることをやっているので、それが活力かなと。嫌だと思っていることはやりたくないんです。それはラクしたいということではなくて、心が反応しないものはやりたくないということで。
岡本 無理したくないっていうことよね。
鶴田 はい。そういうことです。
岡本 私はね、こう見えても虚弱体質なんです。
鶴田 また!おかあさん(笑)
岡本 本当なの。それで声が大きいでしょ?
鶴田 いいじゃないですか。
岡本 役者としてはありがたいことなんですけど、喋り方とか性格とかで、誰も私が弱いとは思わないの(笑)。しかも外ではサービス精神が出るので、誰も私が疲れてるなんて思わないのよね。でも実は家に帰ったらハッハッハッって、何にもしたくないし、お休みの時はずっと引きこもっているみたいな状態なんです。だから、もういい年なんだしお芝居もやめて引退して引っ込んじゃえばいいのに、これ辞めちゃうともっとダメになっちゃうので、これが活力源になってます。あと、滅多に家にいないし、1年のうち半分くらいは外国に行っちゃってるけど、旦那です(笑)。その旦那の存在が、ベタッといたらイラッとすると思うんですけど。半分くらいしかいないから、そういう主人の存在が癒しと活力になっているんです。
鶴田 麗さんはお子さんはいらっしゃるんですか。
岡本 主人のほうの子どもはいるんですけど、それがもう30くらい。
鶴田 じゃあ。もう育って。
岡本 育ち上がってます(笑)。主人は中国人で、娘は向こうの大学出て医者なんですが、日本でのライセンスを取る勉強をしている最中なんです。家の上の方の階に住んでいるんですけど、娘とは思わないでお友達と思って付き合ってるんです。それで私が虚弱体質だから、熱出したりするとお粥作って持ってきてくれるの。
鶴田 いいですね。
岡本 麗ちゃん大丈夫?って。私のこと麗ちゃんっていうの。
鶴田 なんかそういう関係の方がいい気がしますね。無理してお母さんと娘になる必要もないし。
岡本 気楽でいいの。鶴田さんは?
鶴田 うちも子どもはいなくて、週の半分は大学に教えに行っていないので、バランスがちょうどいいんです。
岡本 自分の時間もあって、でも家族もあるという安心感がいいわよね。
鶴田 それが仕事への活力にもなっていると思います。
【プロフィール】
岡本麗(左)
おかもとれい○長崎県出身。劇団俳優小劇場付属養成所を経てデビュー。映像から舞台まで幅広く活躍中。主な出演作品は映画『蒲田行進曲』(深作欣二監督)『The Ramen Giel』(ロバート・アラン・アッカーマン監督)『くちづけ』(堤幸彦監督)、ドラマ『はぐれ刑事純情派』など。最近の舞台は『猿股のゆくえ』『ポテチ』『金閣寺』、松金よね子・田岡美也子とのグループる・ばるで『蜜柑とユウウツ~茨木のり子異聞~』などがある。
鶴田真由(右)
つるたまゆ○神奈川県出身。88年にテレビドラマで女優デビュー、テレビや映画を中心に活躍。ドキュメンタリーやナレーション出演も数多い。最近の主な出演作は、映画『ほとりの朔子』(深田晃司監督)『さよなら渓谷』(大森立嗣監督)『カルテット!』(三村順一監督)、ドラマ『株価暴落』(WOWOW)『マザーズ』(中京テレビ)『翳りゆく夏』(WOWOW)など。舞台は『真情あふるる軽薄さ2001』で初舞台、以後『障子の国のティンカー・ベル』『トワイライツ』『アジアン スイーツ』『とある物語』『花音:Canon』などに出演。
【公演情報】
トム・プロジェクト プロデュース
『東おんなに京おんな』
作◇ひょうた
演出◇田村孝裕
出演◇岡本麗 鶴田真由
12/2~6◎あうるすぽっと
地方公演(岡山、西宮、加東、鹿児島、佐倉)あり
〈お問い合わせ〉トム・プロジェクト 03-5371-1153
〈公式サイト〉http://www.tomproject.com/
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